教職大学院生まっちゃの雑感

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英授研 小中連携と言語活動 【'23冬】

年内の授業はXmasを前に終了しましたが

元気に勉強会に参加してきました。


夏に参加した英授研の冬季大会です。

母校のアーバンキャンパスにてありました。

 

前回に引き続き、

・外国語学部(卒業したとこ)の教授

・外語の研究科修了生の現職教員

・院の同じコースの先輩でP先生 という

知ってる人しかいない顔ぶれが登壇する

 

ということで…

卒業しても母校が大好きまっちゃさん

卒業して2回目のアーバンキャンパスへ。

 

夏の様子はこちら↓

matchspecial.hatenablog.com

会場には120人程の関係者が集まってました。

もちろん先生(小中高)も大勢いたのですが

大学生企業勤めの方もちらほらいました。


そんな大注目を集める目玉イベントで

全視線を集めたスペシャルゲストは…

文科省の直山(なおやま) 視学官です! 👏👏

 

★直山木綿子先生
英語教育に関わっている人なら

誰でも知っている超有名人です。


視学官や教育課程調査官と呼ばれる方で

要するに学習指導要領を作っている人です。


直山さんは小学校担当の視学官で

中学年に外国語活動を前倒しして、

高学年に外国語科を取り込んだその人です。


私が直山さんを知ったのは学部2年です。

関西弁の陽気なおばちゃんの雰囲気です。

まさかお会い出来るとは思いませんでした。


★基調講演

テーマは「英語教育の小中連携」でした。


「小中連携」 「中1ギャップ」

英語教員は小中連携を担う可能性が大いに

あるので私も関心の高いトピックです。

 

小中に滑らかな接続が図られる必要性を

以前から感じてきました。


資料としては

・令和4年度英語教育実施状況調査

・小学校外国語活動・外国語研修 GB

・平成29年告示学習指導要領

を挙げて説明しておられました。


★講演内容

「小学校と連携している」と答えた

公立中学校(全国)の割合は75.5%。

 

主要な連携方法は…
「情報交換」「交流」「カリキュラム連携」


「情報交換」申し送り授業参観のこと。

「交流」部活見学会体験入学(授業)です。


私は昨年、支援員で6年生を担当しました。

秋口に中学校から出張授業があったり

中学校に出向いて部活見学をしていました。


また、6年と中学(多くが中3)の担任が

申し送りで卒業前後に引き継ぎをしたり

新年度に授業見学をしに行っていました。

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小話「クラスって誰が決めているの?」


基本はその年に担任した先生達が

新しい学年に送り出す前に決めるんだとか。


小1は居住地域や誕生月で決めたり

事前に幼保こ園へ担当者が出向いたり

前年の1年担任が決めたりもするそうです。


中1は6年担任が案を送ることが多いようで

新中1担当者が再確認するようです。

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過去数年間での割合の推移を見ると

コロナで「情報交換」「交流」は下がり

「カリキュラム連携」は微上昇しました。


★カリキュラムがきちんと繋がること

これが小中連携の真髄と言えます。

 

少し前まで小学校に英語はなかったのです。

それがある時教えないといけなくなりました。

 

「英語教員は小中連携を担う可能性大」

中学校の英語の先生が教えてくれた方が

(英語の免許を持っている人の方が)

専門性の高い人から教わることができるし、

小学校も教材研究をしなくてよくなるし、

中学校も小学校の事が知れて一石三鳥です。


現在は小学校で教科担任制が進んだことで

英語専科(英語だけ教える)も進んでいます。

小中連携のミソは「指導の継続性」です。

そこで大切なのが学習指導要領です。

 

★学習指導要領

条件や環境(時期、期間、頻度など)と

目標学習内容が決められています。

 

「社会に開かれた教育課程」を目指して

今の指導要領は各教科の見方・考え方

「〜における見方・考え方を働かせ」

「〜を通して」

「〜資質能力を次の通り育成…」

という同じ構文で書かれています。

 

「知識技能」「思考力判断力表現力」

「学びに向かう力、人間性

  へ評価の観点が揃えられたこともあって

教科ごとの特色が見えやすくなったり

教科を跨いで教えやすくなったりしました。

 

小学校外国語活動(小3,4、週1コマ)

小学校外国語科(小5,6、週2コマ)

中学校外国語科(中1-3、週4コマ)

 

これらの指導要領を並べて比較すると

外国語では活動・教科共に共通して

「言語活動を通して指導する」としています。


★言語活動とは

英語の場合「実際に英語を使用して」

「互いの考えや気持ちを伝え合う活動」です。


「目的、場面、状況を適切に設定する」

ということが重要になります。

 

国語言語活動指導の中心とする科目です。

つまり、国語と英語は親戚と言えるでしょう。

国語科から沢山の学びを得られる関係です。

 

例えば、現在の英語教育の課題として

国学力状況調査の結果などから

「求める字数は書こうとする」けど

「文法が致命的にめちゃくちゃ」

という傾向にあることが分かっています。

 

小学校からの早期教育のおかげで

英語を書こう!話そう!という姿勢は

前のめりにさせることができてきました。

これはすごいことです。

 

論理的に書く力=推論する力が弱い

という国語力に結びつく課題が

分かってきたそうです。

 

最近は文法指導を思い切ってやめちゃった

学校もあるようですが(母校(高校)とか)

極端に訳読や講義形式を忌避するのは

限界がくるように感じられます。

 

英語で言語活動に取り組んでいる割合

小学校で9割、中学校で7割、高校で5割

授業中に英語を使ってやり取りする場面が

校種が上がるにつれ減るというわけです。


★英語の4技能

「話すこと」にはやり取りと発表があり

厳密には4技能5領域があります。


中学年の外国語活動では

「話す聞く」「慣れ親しむ」だけで

読み・書きはまだありません。


高学年の外国語科では

「話す聞く」は2年目を迎えたうえで

「読む書く」「慣れ親しむ」となり

両者に同等の指導は求めないとあります。


そして中学では4技能を満遍なく伸ばす

ことを求めて全て並列で表現されています。

「話す聞く」と「読む書く」のギャップ

が生まれたまま中1を迎えるわけです。

 

中1生が英語が書けない読めない状況

なのはいたって当然というわけです。

そこを生徒や小学校の先生を責めるのは

おかしいということになります。

 

中学校の英語の教科書の1年生1学期は

ほぼ小学校の復習となっています。

 

最初はイキイキした中一生も

だんだん覇気が無くなってくるという

構造上の課題もあるように感じます。

 

いかに小学校のテンションを殺さずに

やっていけるかがカギとなりそうです。

 

★まとめ

学習指導要領をしっかり読み込んで

この構造を理解して指導してね。

ということだと受け取りました。

 

頑張ります。