年内の授業はXmasを前に終了しましたが
元気に勉強会に参加してきました。
夏に参加した英授研の冬季大会です。
母校のアーバンキャンパスにてありました。
前回に引き続き、
・外国語学部(卒業したとこ)の教授
・外語の研究科修了生の現職教員
・院の同じコースの先輩でP先生 という
知ってる人しかいない顔ぶれが登壇する
ということで…
卒業しても母校が大好きまっちゃさん
卒業して2回目のアーバンキャンパスへ。
夏の様子はこちら↓
会場には120人程の関係者が集まってました。
もちろん先生(小中高)も大勢いたのですが
大学生や企業勤めの方もちらほらいました。
そんな大注目を集める目玉イベントで
全視線を集めたスペシャルゲストは…
文科省の直山(なおやま) 視学官です! 👏👏
★直山木綿子先生
英語教育に関わっている人なら
誰でも知っている超有名人です。
視学官や教育課程調査官と呼ばれる方で
要するに学習指導要領を作っている人です。
直山さんは小学校担当の視学官で
中学年に外国語活動を前倒しして、
高学年に外国語科を取り込んだその人です。
私が直山さんを知ったのは学部2年です。
関西弁の陽気なおばちゃんの雰囲気です。
まさかお会い出来るとは思いませんでした。
★基調講演
テーマは「英語教育の小中連携」でした。
「小中連携」 「中1ギャップ」
英語教員は小中連携を担う可能性が大いに
あるので私も関心の高いトピックです。
小中に滑らかな接続が図られる必要性を
以前から感じてきました。
資料としては
・令和4年度英語教育実施状況調査
・小学校外国語活動・外国語研修 GB
・平成29年告示学習指導要領
を挙げて説明しておられました。
★講演内容
「小学校と連携している」と答えた
公立中学校(全国)の割合は75.5%。
主要な連携方法は…
「情報交換」「交流」「カリキュラム連携」
「情報交換」は申し送りや授業参観のこと。
「交流」は部活見学会や体験入学(授業)です。
私は昨年、支援員で6年生を担当しました。
秋口に中学校から出張授業があったり
中学校に出向いて部活見学をしていました。
また、6年と中学(多くが中3)の担任が
申し送りで卒業前後に引き継ぎをしたり
新年度に授業見学をしに行っていました。
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小話「クラスって誰が決めているの?」
基本はその年に担任した先生達が
新しい学年に送り出す前に決めるんだとか。
小1は居住地域や誕生月で決めたり
事前に幼保こ園へ担当者が出向いたり
前年の1年担任が決めたりもするそうです。
中1は6年担任が案を送ることが多いようで
新中1担当者が再確認するようです。
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過去数年間での割合の推移を見ると
コロナで「情報交換」「交流」は下がり
「カリキュラム連携」は微上昇しました。
★カリキュラムがきちんと繋がること
これが小中連携の真髄と言えます。
少し前まで小学校に英語はなかったのです。
それがある時教えないといけなくなりました。
「英語教員は小中連携を担う可能性大」
中学校の英語の先生が教えてくれた方が
(英語の免許を持っている人の方が)
専門性の高い人から教わることができるし、
小学校も教材研究をしなくてよくなるし、
中学校も小学校の事が知れて一石三鳥です。
現在は小学校で教科担任制が進んだことで
英語専科(英語だけ教える)も進んでいます。
小中連携のミソは「指導の継続性」です。
そこで大切なのが学習指導要領です。
★学習指導要領
条件や環境(時期、期間、頻度など)と
目標、学習内容が決められています。
「社会に開かれた教育課程」を目指して
今の指導要領は各教科の見方・考え方が
「〜における見方・考え方を働かせ」
「〜を通して」
「〜資質能力を次の通り育成…」
という同じ構文で書かれています。
「知識技能」「思考力判断力表現力」
「学びに向かう力、人間性」
へ評価の観点が揃えられたこともあって
教科ごとの特色が見えやすくなったり
教科を跨いで教えやすくなったりしました。
小学校外国語活動(小3,4、週1コマ)
小学校外国語科(小5,6、週2コマ)
中学校外国語科(中1-3、週4コマ)
これらの指導要領を並べて比較すると
外国語では活動・教科共に共通して
「言語活動を通して指導する」としています。
★言語活動とは
英語の場合「実際に英語を使用して」
「互いの考えや気持ちを伝え合う活動」です。
「目的、場面、状況を適切に設定する」
ということが重要になります。
国語も言語活動を指導の中心とする科目です。
つまり、国語と英語は親戚と言えるでしょう。
国語科から沢山の学びを得られる関係です。
例えば、現在の英語教育の課題として
全国学力状況調査の結果などから
「求める字数は書こうとする」けど
「文法が致命的にめちゃくちゃ」
という傾向にあることが分かっています。
小学校からの早期教育のおかげで
英語を書こう!話そう!という姿勢は
前のめりにさせることができてきました。
これはすごいことです。
論理的に書く力=推論する力が弱い
という国語力に結びつく課題が
分かってきたそうです。
最近は文法指導を思い切ってやめちゃった
学校もあるようですが(母校(高校)とか)
極端に訳読や講義形式を忌避するのは
限界がくるように感じられます。
英語で言語活動に取り組んでいる割合は
小学校で9割、中学校で7割、高校で5割
授業中に英語を使ってやり取りする場面が
校種が上がるにつれ減るというわけです。
★英語の4技能
「話すこと」にはやり取りと発表があり
厳密には4技能5領域があります。
中学年の外国語活動では
「話す聞く」に「慣れ親しむ」だけで
読み・書きはまだありません。
高学年の外国語科では
「話す聞く」は2年目を迎えたうえで
「読む書く」に「慣れ親しむ」となり
両者に同等の指導は求めないとあります。
そして中学では4技能を満遍なく伸ばす
ことを求めて全て並列で表現されています。
「話す聞く」と「読む書く」のギャップ
が生まれたまま中1を迎えるわけです。
中1生が英語が書けない読めない状況
なのはいたって当然というわけです。
そこを生徒や小学校の先生を責めるのは
おかしいということになります。
中学校の英語の教科書の1年生1学期は
ほぼ小学校の復習となっています。
最初はイキイキした中一生も
だんだん覇気が無くなってくるという
構造上の課題もあるように感じます。
いかに小学校のテンションを殺さずに
やっていけるかがカギとなりそうです。
★まとめ
学習指導要領をしっかり読み込んで
この構造を理解して指導してね。
ということだと受け取りました。
頑張ります。