教職大学院生まっちゃの雑感

「みすたーの雑感」の姉妹ブログです。

考察 ギャングエイジと9歳の壁

小学校(前半期)での実践的活動を通して

各年代の発達課題について考察していきます。

 

主な発達課題を取り上げます。

・小1プロブレム  

・低学年の荒れ

・ギャングエイジ ←今回

 

小1プロブレムはこちら↓

matchspecial.hatenablog.com

 

低学年の荒れはこちら↓

matchspecial.hatenablog.com

 

今回は、ギャングエイジです。

 

★ギャングエイジとは

中間反抗期とも呼ばれています。

ギャングとは集団や仲間を意味する言葉です。

同じ性別の仲の良い者同士が小グループ化

している状態で閉鎖的に交流することです。

 

1,2年生では幼稚園から一緒などの関係で

男女問わず一緒に遊んだり話したり

抱きつき合ったりする姿を見ますが

 

異性のスキンシップはまず見られません。

男女別室更衣が始まる時期でもあります。

代わりに同性の子と3~4人で遊ぶ姿を

よく目にするようになります。

 

低学年であれやこれや教えてくれた子も

話したくなさそうな態度になることも。

 

周囲の目線など良くも悪くも感じて

低学年の時は騒がしかった子も

だんだん静かになっていきます。

 

語彙力や規範意識も育ってきており

自分たちできまりを作って分担し

学校生活や遊びを実行することが

失敗しながらもできるようになります。

 

集団ができあがる時期になると

それから外れる子が必ずできてきます。

また、付和雷同的に悪さに共鳴して

付き合いを始める関係も生まれます。

これが要注意です。

 

★中学年で習う教科

1,2年の生活科は理科社会に分科し

総合的な学習の時間外国語活動

あわせてスタートします。

 

クラブ活動委員会活動も始まります。

兄弟関係や遊びでは年上になったり、

異学年交流では下っ端になったりと、

両方の立場を経験していく時期です。

 

学校での勉強では、

時間数は3年が980、4年が1015です。

4年生で1000時間を超えています。

この1015というのが一つの目安で

5,6年も1015でフラットになっています。

 

3年生から始まる社会と理科は

生活科の時間よりも多くなり

専門性が高くなります。

 

しかし、社会では住む地域のこと

理科では植物(学校で観察できる)

など生活に身近なトピックから

始まっていきます。

 

英語も読み書きはまだで

聞く話すが中心の活動で

慣れ親しむことから始まります。

 

★9歳の壁

抽象的な概念を多く扱うことで

発達の差が顕著に出やすい時期です。

 

算数の授業では学力差が出やすく

四則計算がごちゃごちゃになったり

繰り上がりや繰り下がりなど

低学年で躓きやすい関門ばかりです。

 

また、図形も学習します。

面積や体積など法則を見つけて理解し

計算したり製図することがあります。

 

以外と音楽の授業でも関門があります。

ソプラノリコーダーを吹き始めるのと

歌詞に漢字や「命」や「希望」など

概念的な言葉がよく出てくるのです。

 

楽器が吹けない、歌詞が分からないなんて

いう子も出てくるかもしれません。

ガンガン音で歌っていい低学年とは違い

合唱、斉唱を求められるでしょう。

 

国語では、物語を読んで考えたことや

本文にはない物語の続きを考える

など創造的な活動も増えます。

 

1,2年生では問われることが

本文にそのまま書いてあったのに

傍線部の言葉を発した人の気持ちや

物語を書いた人の気持ちを推察して

解答する場面が増えていくでしょう。

 

義務教育学校の考え方

最後に義務教育学校の考え方を紹介します。

小中が一体となった学校が増えています。

 

その多くがステージ制というのを

導入して教育計画を立てています。

9年間を従来の6-3ではなく

5-4にしたり、4-3-2としたりします。

 

ステージで分ける時に最も重要なのは

小6と中1が同じステージに含まれること。

5-4では後半に小6~中3がきており

4-3-2では中盤に小5-6-中1があります。

 

ここで、注目すべきは第1ステージです。

小1から小4はたいてい同じくくりにあります。

 

中心的にケアする担任の存在が大きい時間

規範意識や集団形成が進む大切な時間

個別の支援に介入して働きかけやすい時間

 

発達段階では基礎的な時期である

というのがはっきりわかりますね。