小学校(前半期)での実践的活動を通して
各年代の発達課題について考察していきます。
主な発達課題を取り上げます。
・小1プロブレム
・低学年の荒れ
・ギャングエイジ ←今回
小1プロブレムはこちら↓
低学年の荒れはこちら↓
今回は、ギャングエイジです。
★ギャングエイジとは
中間反抗期とも呼ばれています。
ギャングとは集団や仲間を意味する言葉です。
同じ性別の仲の良い者同士が小グループ化
している状態で閉鎖的に交流することです。
1,2年生では幼稚園から一緒などの関係で
男女問わず一緒に遊んだり話したり
抱きつき合ったりする姿を見ますが
異性のスキンシップはまず見られません。
男女別室更衣が始まる時期でもあります。
代わりに同性の子と3~4人で遊ぶ姿を
よく目にするようになります。
低学年であれやこれや教えてくれた子も
話したくなさそうな態度になることも。
周囲の目線など良くも悪くも感じて
低学年の時は騒がしかった子も
だんだん静かになっていきます。
語彙力や規範意識も育ってきており
自分たちできまりを作って分担し
学校生活や遊びを実行することが
失敗しながらもできるようになります。
集団ができあがる時期になると
それから外れる子が必ずできてきます。
また、付和雷同的に悪さに共鳴して
付き合いを始める関係も生まれます。
これが要注意です。
★中学年で習う教科
1,2年の生活科は理科と社会に分科し
総合的な学習の時間と外国語活動も
あわせてスタートします。
クラブ活動や委員会活動も始まります。
兄弟関係や遊びでは年上になったり、
異学年交流では下っ端になったりと、
両方の立場を経験していく時期です。
学校での勉強では、
時間数は3年が980、4年が1015です。
4年生で1000時間を超えています。
この1015というのが一つの目安で
5,6年も1015でフラットになっています。
3年生から始まる社会と理科は
生活科の時間よりも多くなり
専門性が高くなります。
しかし、社会では住む地域のこと
理科では植物(学校で観察できる)
など生活に身近なトピックから
始まっていきます。
英語も読み書きはまだで
聞く話すが中心の活動で
慣れ親しむことから始まります。
★9歳の壁
抽象的な概念を多く扱うことで
発達の差が顕著に出やすい時期です。
算数の授業では学力差が出やすく
四則計算がごちゃごちゃになったり
繰り上がりや繰り下がりなど
低学年で躓きやすい関門ばかりです。
また、図形も学習します。
面積や体積など法則を見つけて理解し
計算したり製図することがあります。
以外と音楽の授業でも関門があります。
ソプラノリコーダーを吹き始めるのと
歌詞に漢字や「命」や「希望」など
概念的な言葉がよく出てくるのです。
楽器が吹けない、歌詞が分からないなんて
いう子も出てくるかもしれません。
ガンガン音で歌っていい低学年とは違い
合唱、斉唱を求められるでしょう。
国語では、物語を読んで考えたことや
本文にはない物語の続きを考える
など創造的な活動も増えます。
1,2年生では問われることが
本文にそのまま書いてあったのに
傍線部の言葉を発した人の気持ちや
物語を書いた人の気持ちを推察して
解答する場面が増えていくでしょう。
★義務教育学校の考え方
最後に義務教育学校の考え方を紹介します。
小中が一体となった学校が増えています。
その多くがステージ制というのを
導入して教育計画を立てています。
9年間を従来の6-3ではなく
5-4にしたり、4-3-2としたりします。
ステージで分ける時に最も重要なのは
小6と中1が同じステージに含まれること。
5-4では後半に小6~中3がきており
4-3-2では中盤に小5-6-中1があります。
ここで、注目すべきは第1ステージです。
小1から小4はたいてい同じくくりにあります。
中心的にケアする担任の存在が大きい時間
規範意識や集団形成が進む大切な時間
個別の支援に介入して働きかけやすい時間
発達段階では基礎的な時期である
というのがはっきりわかりますね。