★課題研究とは
高校でした人もいるのではないでしょうか。
馴染みある言葉になりつつあると思います。
要はテーマを決めて調べたり試すことです。
大学の卒論や大学院の研究もまさにそれです。
リサーチクエスチョン(RQ)から始まりですね。
教職大学院では学校教育に関することから
それぞれの院生が得意・専門とする領域で
「こんなことやったら教育が充実するよな!」
という可能性探るために研究をします。
例えば…
「管理職として職場で教員をどう育てるか」
「1人1台端末の効果的な活用方法を考える」
「保健室から子どもの成長を支える方法」
「○○科でもっといい授業をするには」
「不登校にどう立ち向かい支援するか」
「問題行動をどう支援して生徒指導するか」
など各々の立場や校種でテーマがあります。
教職大学院には学校現場での実習があり
「必ず」どの院生も取り組むことになります。
実習先は現職院生は現在の勤務校(や部署)
学部卒院生は指定の学校に派遣されます。
私は割り当てられた学校に実習生として
大学院在学中つまり2年間滞在しながら
その学校を舞台に実際の子どもを相手に
学校現場や大学院での指導を受けながら
研究テーマについて実践をすることで
修士論文(報告書)にまとめていきます。
★ちょっとした附属校?(笑)
国立教育大学ですので附属校もあります。
附属が実習先の学部卒院生も数名います。
附属校には
「実験学校」「実習学校」という役割があり
学習指導要領の効果検証や模範実践のために
学校があり、授業があり、生徒がいるのです。
教師=実験者、生徒=実験協力者
という構図が前提(入学条件)となっています。
選抜もあり、学習意欲も高い(はず)です。
一方で多くの院生が地域の公立校に行きます。
地域の学校では様々な子どもが集います。
教師の指示が通る学級ばかりではありません。
しかし、院生を介して大学と連携しながら
教育実践、研究主題を追究することで
学校・教師・子どもにメリットが生まれる
という点では附属と得られるものは同じで
院生がいる期間(だけ)「附属」となると
私は考えて良いと思います。
★倫理審査とは
研究を行う際には必ず承諾が必要です。
私の場合まずは学校に承諾を取ります。
実習を受け入れて欲しいことの承諾と
研究をしてもいいかという承諾です。
そして生徒(の保護者)にも承諾を取ります。
もし「私の子どもはそういうのはお断り」
という人がいればその子は対象外とします。
※
附属校は研究するために存在しているので
附属校が実習先の人には家庭への承諾は
無いものと考えて良いでしょう。
さらに大学の倫理審査を通過させなければ
研究を実施することができません。
倫理審査とは研究が倫理的にOKかの審査で
それは沢山の事を書かなければいけません。
「研究テーマ」
「それはどういう目的でするのか」
「どのような経緯や背景があるのか」
「いつからいつまでにするのか」
「誰に何をどのようにするのか」
「どんな事態(悪い方)が予想されて」
「それを防ぐためにどうするのか」
「個人情報の管理はどうするのか」
「もし事態(悪い方)が発生したら」
「リスクを上回る利益は何なのか」などです。
家庭依頼用、教師依頼用の文章を作成し
インタビュー質問も事前に明記した上で
承諾用の書類を書かなければいけません。
これらの書類(10枚くらいの計画書)を
期日までに大学(オンライン)に提出し
審査の結果「許可」されて初めて動けます。
審査は年に数回で、審査には2ヶ月ほど
時間を要することになっています。
★倫理審査取り直し
初めは特別支援教育に関することをテーマに
予定では8月に審査へかける予定でした。
ですがなかなか難しいテーマ(壮大過ぎた)で
8月を見送り10月に倫理審査を出しました。
提出の手順としては、
テーマを発見し(これが難しい)て定め、
管理職の先生に説明するための資料を作成し
時間を取ってもらってご説明にあがります。
関係教員にも根回しをして理解を仰ぎます。
倫理書類の制作と執筆に1ヶ月ほどかかり
ゼミの先生にいっぱい赤を入れられて
(これは私に限らず全院生がそうである。)
やっとの思いで提出し、無事通過しました。
しかし!
気持ちと事情と予定が変わったため
テーマを変更をすることになりました。
既に通した審査内容をなんとか生かせたらと
日本語と格闘し色々と努力しましたが…
面談を重ねて審査出し直しになりました。
2回目の倫理審査は1月(この前)でした。
審査書類や承諾は取り直しになります。
1回作ってしまったので文章変更は2割位の
文量で済んだことがせめての救いでしょう。
★日本語の裏表
この書類を書く時にすごく難しいのが
文章に使う日本語のチョイスです。
そもそも研究の始まりは「課題の発見」です。
「課題」のない学校は1つもないのです。
でも、問題意識や課題解決というのは
ほぼ学校や生徒や先生のアラ探しと同じで
悪口を書くのと表裏一体でもあります。
これを校内で承諾をとる時に思ったままを
書いたり伝えたりすると誰も得をしません。
なのでオブラートに包んだ書き方をします。
でも大学に出す書類には説得力のあることを
できるだけ詳細に書かなければいけません。
さらに大掛かりすぎることは負担になり
小手先?の実践では修論が書けません。
現場、大学、自分のスケジュールもあり
常に追われる日々を過ごしてきました。
★スタートラインに立った
研究はこれからです。
文献調査、実施計画調査、大学院での指導と
修論本文作成にはまだまだ沢山の手順を要し
それらができるラインに立っただけです。
これから調査の様子(主に文献)を実況したいと
思いますので今後にぜひご期待ください。